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よもやま話

悲しい信仰

日本は、島国です。
他国との国交によっていろいろな宗教が入ってきました。

平安時代前期は、最澄と空海による、新しい仏教、天台宗や真言宗の考え方が広まりました。
修験道は、この影響を受けて変化を遂げて行きました。

特に後期の藤原時代(摂関政治)には、陰陽道、陰陽師が多用され、藤原氏一族の間でも、賀茂・安倍両家が重用され権力争いを繰り広げて行きました。
陰陽師は政治アドバイザーとして天皇や貴族を競争相手から守るために呪術や占いを使うほか、天体観測・時間の計測・暦の作成などを行う科学者でもありました。
しかし、明治時代に、陰陽道は廃止され、西洋の太陽暦が採用されました。
ちなみに、平安京は、明治時代に東京に都が移るまでは日本の都でした

平安時代末期から鎌倉時代の中期。
貴族中心から武家中心の政権に変わったことや度重なる戦乱や天災、飢饉などで社会全体は荒廃していました。
民衆に、この世の乱れを鎮められない仏教への不満や失望感が増大し、生きてるこの世は苦しすぎるから、せめてあの世では、正しい仏教の教えや救いを得たいという 「末法思想 」が広がっていました。
多くの鎌倉仏教が誕生しました。
浄土宗、浄土真宗、時宗、日蓮宗、臨済宗、曹洞宗など6つの仏教です。
臨済宗や曹洞宗は禅宗です。
浄土宗 … 法然 念仏「南無阿弥陀仏」をひたすら唱える専修念仏を説いた。
浄土真宗 … 親鸞 念仏を唱えなくても信仰さえあればいいと説いた。善人より悪人という自覚がある人こそ救われるべきと主張「悪人正機説」
日蓮宗 (法華宗) … 日蓮 題目「南無妙法蓮華経」を唱えると成仏できると説く。他宗を激しく非難。
時宗 … 一遍 信心の有無や善人悪人に関係なく念仏を唱えれば、全ての人が救われると説く。又、踊りながら念仏を唱える「踊念仏」字が読めない人々にも信仰を広げた。
臨済宗 … 栄西 座禅を組む事で悟りが開けると説く。
曹洞宗 … 道元 座禅そのものが仏法であるという「只菅打座」を説く。

南北朝時代 室町時代〜戦国時代
長く続く戦乱によって疲弊した社会は、厳しい戒律によって物事の本質を追い求める禅宗に傾倒します。
禅宗のルーツは「達磨(だるま)」というインド人仏教僧。「だるま」のモデルです。
禅宗は武士に保護され、臨済宗は上級武士、曹洞宗は下級武士に広がります。
一向宗(浄土真宗)の信仰は、格となり、大名と対決する一向一揆に、
日蓮宗は京都の町衆と結びつき、団結し、法華一揆を起こしました。

鎌倉幕府が導入した鎌倉五山・京都五山はすべて臨済宗のお寺で、室町時代の北山文化・東山文化の代表格である鹿苑寺(金閣寺)や慈照寺(銀閣寺)も臨済宗の寺。
武田信玄も今川氏の菩提寺も臨済宗の寺でした。
無神論者とされる信長でさえ、禅宗を進行していたそうです。
武家で禅宗が支持された理由は、戦乱の世で、自然と向き合って心を落ち着かせる禅の修行が武士の共感を呼んでいたからだそうです。
いつ命を落とすともわからない時代、神仏こそが拠り所だったのです。
武将たちは、仏と神の違いを重視せず、両者を「神仏」とひっくるめていました。

戦場に、武士たちは名号(仏の名)・法号(仏門に入った者の名・法名)を記した御守りや本尊を持って行きました。
いつ死ぬともわからない戦場で仏に守られて成仏するため、神仏に加護を祈るためのものでした。
キリシタン大名の間でも、聖遺物を携行し、御守りを持って戦に出たそうです。
鎧兜に神を勧請し、軍旗には神号を記しています。
上杉謙信の「毘」、武田信玄の「南無諏訪南宮法性上下大明神」、徳川家康の「厭離穢土欣求浄土」などがあります。

謙信は自らを毘沙門天の化身と信じ、生涯毘沙門天を信奉して「毘」の軍旗を用い、信玄は諏訪明神を信仰し、合戦の度に諏訪大社で戦勝祈願を行いました。
浄土宗に帰依していた家康は、「厭離穢土欣求浄土(おんりえどごんぐじょうど)(穢れた娑婆世界を厭い離れて、極楽浄土に生まれたいという願い)を軍旗に記していたそうです。

軍師なども、呪詛で敵を調伏するなど、敵を調伏する密教の五壇法を行ったそうです。

時代に応じて、宇宙から、様々な神を下され何とか人民を救済されようとしてきたのでしょうが、にとの欲望は止まることを知らず、全て自分中心の祈りだったのです。

戦国時代は特にひどく、自分が勝つための祈りです。
これでは、神様同士の戦いです。
勝ったら神様に感謝では、本質とは大きくかけ離れていきます。
生かされていることに感謝ではなかったのです。
誰もが共存する、誰もが平和を望んでいれば戦国時代はなかったでしょう。
なんだか、究極の欲の時代だったようですね。

人によって神々は翻弄されて嫌のではないでしょうか。

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