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姥捨山のデータ

「姥捨て山(うばすてやま)」は実在したと思いますか?
神話や伝説には意味があると考えています。

かつて食糧難解消の「口減らし」を目的に、
年老いて働けなくなった老人を山に遺棄していたという伝承。

長野県の千曲市の冠着山(かむりきやま)(姨捨山)の話では、
ある夜、若者が老いた母親を背負って山に捨てに行った。
すると後ろで枝を折る音が聞こえる。
それは、母親が帰り道、わが子が道に迷わないよう、目印として枝を折っていたのだった。若者は母を捨てることができず、家に連れ帰り、床下に隠した。
一方、この地方の殿様は隣国から難題を持ちかけられ悩んでいて、御触れでいい知恵を求めていた。(灰で編んだ縄、蟻通し)
それを見た若者が母親の知恵を殿様に伝え、それによりこの地方は隣国から救われることになる。
殿様は褒美をとらす、と言ったところ、若者は母親からの知恵であったことを伝える。
殿様は自らの不明を詫びて、年寄を大切にするよう御触れを出したという話。

このほか、深沢七郎の小説「楢山節考」や木下圭介監督が制作したその映画も有名です。

人類の遺伝子は大元は共通ですから。
もちろん家によって多少の違いはあります。
大腸がんの家系のデータ、心臓病のデータ、嫁姑のデータ。
その家がどんなことを主にしてきたかによってデータは異なります。
ですが、日本全国に知られている姥捨山のデータは、自分自身の問題として受け止めなければならないのではないでしょうか。

兵庫県篠山市内。
南西部に位置する集落「見内(みうち)」にも伝承があります。
昔、老人を生きたまま棺桶に入れて、裏山にあたる「松尾山」の山腹の急峻な尾根から谷底に向けて投げ落としていたといわれています。
その場所は「ガンコガシ」「ガンコロガシ」などと呼ばれ、今でも年配者の間で、悲しい歴史秘話として伝わっているそうです。
「ガン」は漢字で「龕」、遺体を納める棺や輿の意味。
老人を棺桶に入れ、ガンコガシに投げ落としたという話が伝えられています。

現代では、高齢者のために、様々な施設があります。
最期まで生き生きした生活を送ってもらうためのものです。
先日、見学に行きましたが、ホテルのような施設でした。
まだ65歳ではないので入居できませんが、食事も朝食が和食か洋食を選べる、夕食は魚か肉を選べる、ヒノキブロ、喫茶室がある、ハードはとても素敵なものでした。
あとは、人として取り扱ってもらえるかどうかのソフトがあるかどうかです。
90歳まで生かされた義母にも
最期まで清潔で安全な生活を楽しく過ごしてもらいたいと思っています。

姥捨山に捨てられた親、
子供の帰り道を気遣い小枝をおる親の思いが少しわかる年齢になりました。

改めて姥捨山に想いを寄せてデータを消しました。

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