糖尿病とカフェイン
先日の相談内容です。
食後の血糖値がすごく上がります。
何を食べても高いようです。
何か下げる方法はありませんか?
血糖値を下げるホルモンは唯一インスリンのみです。
私も糖尿病なので、血糖値を気にしています。
糖尿病であっても、原因は一人一人異なるように思えます。
例えば、交感神経緊張によってホルモンの出が悪い人もいます。
私のように甘いものが大好きで、インスリンをいつもいつも出し切って
膵臓が疲弊しているような場合もあります。
(学説によると、インスリンの量は永遠に出続けるわけではなく、
一生分は限りがあるのではと考える人もいます)。
日頃から、いろいろな食べ物で血糖値を試してみていますが、
私は菊芋では下がりませんでした。
サラシアも桑もファイバー系も難しかったのです。
唯一、藍だけは、血糖値が下がることを体感できました。
さらに、なぜだかデカフェを飲むと、体が楽になっていました。
コーヒーは糖尿病にいいとは聞いていましたが、そんな実感はなかったのですが、
デカフェを飲むと、体が楽になっていました。
そこで、相談者の方に食生活を聞いてみると、
ハーブティーのスペシャリスト故に、実にたくさんのお茶を飲んでいることがわかりました。
もしかしたらカフェインの取りすぎではないのかなあと頭によぎりました。
コーヒーを飲むと糖尿病の発症を抑制する効果が期待できる報告はかなりの数出ています。でも研究の結果は、様々です。
コーヒーでも紅茶でもお茶に含まれているカフェインは、
インスリンを効きにくくし(インスリン抵抗性)、血糖値を上げやすくしてしまいます。
カフェインには、中枢神経(感覚や意思、反射や呼吸などをコントロールする神経)を刺激する働きがあります。すると、腎臓の近くにある副腎の髄質から血糖値を上げるホルモン「アドレナリン」が分泌されてしまいます。
糖尿病の人に、アドレナリンが加わると、血糖値はさらに上昇します。
カフェインによって血糖値をあげる「アドレナリン」が分泌→血糖値が一時的に上昇→(何回も繰り返すと)→血糖コントロールが乱れる】のです。
いろいろ調べていくと、
名古屋女子大学家政学部教授堀尾文彦先生の研究によって、
デカフェに糖尿病の抑制効果のあることがわかりました。
堀尾先生の研究では、自然発症するヒトの1型糖尿病とよく似たモデルのNODマウスで実験を行なった結果、
デカフェ群は血中のインスリン濃度が高く糖尿病の発症率も抑えています。
先生によると、
この結果は膵臓のβ細胞にインスリンが残っていることを示していて、長期にデカフェを飲んでいると、β細胞の破壊が防げると考えられるようです。
コーヒー、特にデカフェに膵臓ランゲルハンス氏島のβ細胞を保護する効果が期待できるようです。
コーヒの中のどんな成分が膵臓を守るのかは、明らかではありませんが、
カフェインが糖尿病の人にはよくないことは確かなように思えます。
デカフェで膵臓機能が守れるということは、間違いないようです。